先輩の声
グロービス経営大学院 経営研究科 オンライン校
JBCCはリアルタイムのケースでMBAの学びを実践できる貴重な場
(左上 から右上)
原田 妙子さん(カルフォルニア州在住)
工藤 智弘さん(北海道在住)
岡坂 哲夫さん(大阪府在住)
(左下から右下)
田中 伸一さん(ミシガン州在住)
前田 哲史さん(ニューサウスウェールズ州在住、JBCC期間中に帰国し奈良県在住)
※このインタビューはビデオ会議アプリZoomを用いてオンライン上で行いました
− 皆さんがJBCCに参加を決めたきっかけを、ぜひ教えてください。
前田「授業後の懇親会だよね?」(※オンラインMBAでは、授業後にオンライン上で懇親会を開催することが多い)
岡坂「そうですね。ファイナンスの授業後の懇親会で、講師と名古屋校の経験者からオンラインメンバーで出場しないの?と背中を押されたんですよ。それまでは全然考えていなかったんですが…。」(※オンラインの授業は、他校所属メンバーも選択して受講できる)
前田「そうそう。その時懇親会にいたメンバーと軽いノリでチームを結成してしまった」
− 皆さんすんなり参加しよう!という気持ちになれたんですか?
田中「正直ちょっと腰が重かったです。もうエントリー締め切り3日くらい前でしたし。こんな軽いノリで参加して良いの?と思いまして」
原田「私も迷いました。チーム結成時点では渡米前だったので、時差がある中の受講すら未経験でした。JBCCのことは知っていて、興味はありましたが、最後までやり切れる自信がなかったです」
岡坂「しばらくは周りに秘密にしていましたよね」
前田「そうそう。みんなに言わないでおこう、途中でチーム崩壊するかもしれないし、とか(笑)」
田中「ケースを見て誰の業界にも引っかからなかったら止めよう、なんて(笑)」
前田「これくらいの軽いノリでもJBCCを始めて良いんだ、と思ってくれれば」
− そうすると参加メンバー構成はその場で決まったということですか。
岡坂「たまたまその場にいたメンバーなだけですよね」
田中「参加したメンバーは、断る理由が無かっただけなんですよ。今までの学びの整理もできると思いましたし」
岡坂「なんで参加しないの?参加しない理由が無いじゃない、と名古屋校の方に言われました(笑)」
工藤「確かに、特に断る理由が無かったんですよね」
− 実際に活動を始めてみて、感じたことや印象に残っていることはありますか?
岡坂「なんか急に参加を決めた割には、前田さんが周到に準備をしていたことにビックリしました」
前田「あれはやっていたんじゃなく、結成後にやったんですよ。前回参加した時に作った型があったからできた。WBSをまず出して、タイムラインだけはしっかり作ったんだよね」(※前田さんのみ2018年も参加した経験者だった)(※WBS=Work Breakdown Structure プロジェクトにおける作業を細分化し管理すること)
田中「チームのアセットとして、前田さんの経験値は大きかったです。WBSがあったのは大きかったですよね。おかげで3週間の短期間で戦う予選の全体像を、最初に掴めました」
− なるほど。前田さんはどんなことを感じながら準備を進めていましたか?
前田「いやーシンドイで、みんな。ホンマにやるの?みたいな(笑)。やめるなら今やめようよ、という思いでWBS作って見せたら、逆にみんなやる気になってしまって。あーガンバラナ、とみんなが動き始めたんですよね」
− そして実際にケースが発表されたとき、やめる・やめないの議論は実際にしたのでしょうか。
田中「ケースが出る前日にチームビルディングをしてSlackでコミュニケーションを取る、ということにしていました。ケースが出た後に、「農機だね」「ヤンマーかな」みたいな書き込みがポツポツあった後、いきなりみんなが関連情報を集めてアップし始めたんです。もうそこで、やる・やらないの議論は無くなってしまった。ケーススタディの習慣からか、ケースを見たら皆がまず課題を特定することから始めていました」
前田「そうそう。小さいグループを作って勉強会をしているノリだったよね」
岡坂「ケースの発表が不意打ちでしたよね」
工藤「そうそう。変な時間に…」
原田「もう少し遅い時間に発表になると思っていたので、え、もう?と思いました(笑)」
- ケースも明らかになりチームも本格始動した後、オンラインだから上手くできた、もしくは上手くいかなかったことはありますか?
岡坂「時差があるので、打ち合わせの時間帯を合わせるのが難しいという話はありました。時間が限られていたので、集中してやりましょうということは事前に話をしていた」
前田「打ち合わせ時間はキッチリ決めていました。1回2時間という枠はしっかり決めて終わらせていた。予選時は週2回、計6回しかしていない」
田中「このチームが良かったことはメンバーそれぞれがやることにコミットして、準備をして臨んだこと。打ち合わせが最短で済んだと思う。結論の出ないムダな議論の時間が無かった」
工藤「前田さんが用意したシートに問いがあって、それに対してメンバーそれぞれが仮の答えを埋める欄があったので、何かしら結論を出さなければという意識になれました」
前田「自分なりの結論を持って集合、という感じでしたね。一人一人が結論を持ち寄って共有し、その後再度問いを考えて収束する、みたいな進め方をしましたね」
− もう少し深掘りさせてください。毎回テーマを決めて、全員が同じテーマについて意見を持ち寄っていたのか、それとも外部環境/内部環境のように担当を分けていたのか。
前田「重複しないように工夫をしていました。一枚のシートで分析項目を網羅した表を作り、Googleスプレッドシートで共有し見える化していたんです。各自空いている項目に立候補しファクトや意見を埋めていく。誰かがやっている箇所には手をつけないようにした」
田中「JBCCは総力戦だから、と名言を吐いていたよね。ダブりなく、打ち合わせしなくても進捗が見えるようになっていた」
− そうすると打ち合わせは2時間×2回×3週間=12時間で全て完結できたということですかね。
前田「Slackでやり取りしている時間は長かったです。日本のメンバーがバーッとやっておやすみ!と寝た後で北米メンバーがその後活動を始めてバーッと情報があがってくる。その繰り返し」
岡坂「24時間操業状態でしたよね」
− 3週間活動して、ついに予選資料を提出し終わった時のことを教えてください。
岡坂「絶対提出できなくてダメだった、というのは避けたかったので提出期限の1日前に出す、とチームビルディング時に決めていました。その予定通りに実行できたのは良かった」
田中「どんなにモメたとても戦略のオプションはここで決める、と毎回デッドラインを決めていたのは良かったし、大きかったと思う」
− いくらシートを用意したとしても、オンラインで進めていく難しさはあったのではないかと思うのですが、どんな工夫をしていましたか。
前田「前回の経験からどうしてもまとめた後に、迷ったり戻ったりしてしまうことはあると考えていたので、提出期限1週間前には提出資料のベースはもう完成させるようにした」
原田「経営課題・短期戦略・長期戦略のロジックツリーを事前に用意しておいて、中身がある程度固まった段階で提出資料の本文作成に着手しましたね」
田中「本文はまず書きたいことを全部書いて、その後規定の枚数になるように削り磨いていく、という流れでした」
前田「それと同時に、完全分業でスライドも作成していきましたね。やはりタイムスケジュールが肝だったと思う」
田中「タイムスケジュールと個人コミットメント。この2つに尽きると思います」
− そこがすごく重要だと思うのですが、タイムスケジュールを決めるのはできるとしても、個人のコミットメントをどう高めたのでしょう?皆さんのチーム結成のエピソードを聞くと、難しい部分もあったのではないかと思うのですが…。
前田「みんな時間があったんじゃない(笑)」
岡坂「前田さんが最初にしっかりと準備をしてきてくれたから。それに乗っかればできると思えたんですよね」
田中「コミットメントって個人のマインドなので。結局、蓋を開けてみたら全員負けず嫌いだった、と(笑)。後はせっかくチームを組んだからには迷惑をかけたくない、皆が時間を割いているんだから最低限ここはやらなくてはいけない、というマインドを全員が持ち合わせていたからかと思う」
原田「個人の担当が決まっていたので、少なくともここだけはやらなくては、という気持ちは確かに強かったですね」
工藤「それもあるのと、卒業が近づいてくる中でこれまでの学びを総合的に試す場はもうこの機会しかないと思い、頑張ったということもあります。周りの方々からも学べましたし」
− 正にそれがJBCCの魅力だと思いますので、運営委員としても嬉しいです。
前田「なかなか、学校でもなく講師でもない第三者から評価される機会ってないよね」
田中「私はそのモチベーションが大きかったです。クラスの中、学校の中だけで優劣つけられるだけで、本当に実務で実践できるのか?という思いもありました。本当に今学んでいるMBAがどれだけ実務で使えるのか?という視点で評価してもらえる」
− 本戦出場決定後、印象に残るエピソードは?
岡坂「本戦は予選とは違い、誰も経験が無かったことが辛かったですよね」
前田「前田さん、型をくださいと言われても経験無いからわからん!と(笑)」
工藤「それと、北米メンバーの2名は本選当日どうするんだ、という問題があって」
田中「そうそう。最初から懸念してたけど、行けたらその時考えよう、と思っていたんだよね」
− 事務局と交渉されて、北米のお二人はオンライン参加を認められたんですよね。
前田「そうそう。ただし発言は禁止されたんですよ。どうしても本人確認ができないので。コンサルみたいなプロが代わりに発言していても分からないから」
岡坂「それから、当日学生証もしくは在校証明書の提出が必要だったんですよね」
田中「そうそう、我々北米メンバーの在校証明書は、他のメンバーに学校まで取りにいってもらって、大変だった」
前田「今年参加する方々は、早めに在校証明書を用意しておいてください(笑)」
− 挑戦が終わって半年経ちますが、JBCCでしか得られなかった学びや経験があれば教えてください。
前田「グループで経営課題の解決を考える、という授業がそもそもあまり無いよね」
田中「それにJBCCは授業ではなくコンペなので、参加しているメンバーの熱量も力量もはるかに高いと感じました。同じケースなのに出てくる提案も全然違うし、多面的な分析ができているチームのプレゼンを見ると凄く刺激になり、自身の次の成長への意欲に繋がります」
前田「リアルな競争社会に近いよね。隣の会社よりショボい打ち手をしていたら負けるから」
田中「コンペの場で競争している他チームと比べて評価してもらうことに意義がある。本戦まで行ければ本当に価値があると思います。特にグランドファイナルの講評は聴いていて自分たちにもグサグサ刺さる部分がありました。それは参加して同じケースに取り組まないと得られない気づきですけどね」
前田「たとえ予選突破できなかったとしても、やってからあのグランドファイナルを観戦すれば学びは大きいよね」
工藤「あとはコンサルが実際の現場ではどのような判断をされるのか、という視点を学べたことも大きかった。後は今現在どのようなことが起こっているのかを調べる必要があることも、学びが大きかった」
前田「JBCCはリアルタイムの課題だからね。より現在のマクロ環境変化を知らなければいけない。授業のケースはどうしても過去の事例なので」
田中「今本当に直面している課題で、答えが無いなか考えるからね。しかもエントリーフィータダで、本選まで行ければプロのコンサルタントに評価してもらえるんだから、参加しない手はないですよ」
原田「授業だとケースの中の情報だけで分析・戦略立案することが多いので、ケース外の情報を探しに行くのもいい学びになりました。きちんと問いを立てておかないと、情報の海で迷子になってしまう。頭でわかっていることと、実際にできることは大きく違うと改めて感じました。これは実務にも通じる経験です」
前田「もったいないですよね、参加しないなんて。出なきゃソン」
田中「チームでどう動くか、ということもJBCCの予選・本戦を通じて学べました。実務にも活かしたいことが多かったし」
前田「自分の思考や行動の癖も出るからね。自己を引いて観察できる機会でもあるよ」
− 最後に、JBCCに参加を検討している皆さんへ何か贈りたいメッセージはありますか。
田中「ノーリスクハイリターンの場。どう転んでもマイナスにはならないです。うまくいけばプロからコメントがもらえてリターンが大きい。力試しの場としてはノーリスクハイリターンなので、ぜひ活用して欲しいです」
岡坂「距離の制約を解消してくれる環境が整ってきているので、近くにいない人とでもチームは組めます!ちょっとでも出てみたいという人は是非参加してください!」
工藤「やってみなければ分からないことがあるので、迷っているのならやってみて欲しい。やったことによって得られるものがありますから」
原田「見切り発車でもいいから出てみるのはありだと思います。私はもともと東京校に通学していましたが、海外に転居したためオンライン受講に切り替えのですが、授業やJBCCを通じてオンラインでも自分の気持ち次第で、同じ学びを得られると分かった。ですので通学生でも距離的な制約があり二の足を踏んでいる方がいたら、技術で距離の制約はカバーできるので、ぜひ一歩足を踏み出して欲しいと思います」
前田「通学生でもグループワークが大変だからJBCCはちょっと、という人もいる。でも我々はオンラインだけのコミュニケーションでも結果を出せた。ぜひテクノロジーの力を使い、より多様な方々が参加して欲しいですね」
− 5名全員が揃って、直接顔を合わせた機会は今まであったんですか?
前田「5名全員は無いですね」
田中「前田さんと工藤さんと、JBCC参加前に呑んだことがあるだけです(笑)」
原田「私は未だに、どなたともお会いしたことがありませんね…(笑)」
(笑)本日はお時間いただきありがとうございました。